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「角隠し」ってなに?「綿帽子」との違いは?おしゃれに見えるベストバランス

白無垢に合わせる伝統的なヘアスタイルといえば、綿帽子(わたぼうし)角隠し(つのかくし)の二つです。どちらも「文金高島田(ぶんきんたかしまだ)」と呼ばれる髪型のかつらをベースにしていました。角隠しの場合、地毛で結う新日本髪を合わせる人も増えましたが、日本髪を結える人が限られるため、かつらを用いることがほとんどでしょう。今回は「角隠し」について掘り下げて紹介します。

「綿帽子」と「角隠し」の違いは?

角隠し横顔
「角隠し」はそもそも和装婚のときに花嫁が頭を覆うように巻く白い正絹の布、そのものを指します。転じて、「角隠し」を着けた髪型そのものを指すようになりました。よく「綿帽子」と比較されますが、
 ・「綿帽子」は挙式のみ、白無垢にしか合わせることができない
 ・「角隠し」は白無垢だけでなく、色打掛、引き振袖にも合わせることができ、挙式にも披露宴にも合わせてよい
という違いがあります。
 綿帽子も角隠しも両方やってみたいという方は、挙式は白無垢に綿帽子、披露宴は色打掛に角隠しを選ぶことも可能というわけです。
 ヘアスタイルの面でいうと、
 ・「綿帽子」は洋髪にも和髪にも合わせられる
 ・「角隠し」は日本髪に合わせる
という違いがあります。
 綿帽子は角隠しより格が高いといわれることもありますが、格の違いはありません。

「角隠し」の由来とは?

角隠し全身
角隠し」の由来は諸説ありますが、一般的にいわれているのは、怒りの象徴である角(つの)を隠すことによって、従順でしとやかな妻になるという意味が込められているというもの。また、女性は嫉妬に狂うと鬼になるといわれていたため、鬼になることを防ぐまじないの意味もあるといわれています。
 たしかに、平安時代に紫式部が書いた『源氏物語』では六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)は嫉妬で生き霊や物の怪になっていたり、江戸時代に上田秋成が書いた『雨月物語』では嫉妬で狂う女性の話がいくつか遺されています。女性からすると、「男性が浮気をしなければ嫉妬に狂うことはないんですけど…」という話ですが、古来男性の心変わりが多かったということなのでしょうか…。

「角隠し」はかつらにしか合わせられない?

角隠しはかつらや半かつらにしか合わせられないと書いてあるものもありますが、地毛で結った日本髪にも角隠しをつけることができます。ある程度髪の長さがあれば、自然に仕上がるのでおすすめです。


地毛で文金高島田を結っています。全体的なボリュームはかつらよりもなく、より自然な印象で、サイドから見てもきれいです。「伝統的にはまげが高いほうが華やかだ」という理由でかつらを薦められるかもしれませんが、似合う・似合わないの差も大きいので、お好きなほうを選ぶのが一番です。
 

かつらのメリット・デメリット


着付けの先生によると、和装で挙式を挙げる方のなかでも、かつらを着ける人は少なくなったそうです。洋髪を合わせるのが主流になったことが大きな理由だと思われますが、かつらのメリット・デメリットを紹介します。

[メリット]
・伝統的な雰囲気になる
・しっかり固められているので乱れない
[デメリット]
・約1kgあるため、重くて大変
・高さがあるので、新郎との身長のバランスが取れなくなることも
・夏場は蒸れる
・かつらとかんざしで、それぞれレンタル費用がかかる
(地毛で文金高島田を結うのも、オプション料金がかかります。)

 

「角隠し」の似合いやすいバランスとは?

角隠しの全身バランス
角隠しはもともと1枚の細長い布なので、ヘアメイクさんにより着付けのバランスが異なります。綿帽子と同様にそのバランスが難しく、印象を非常に左右します。綿帽子は洋髪に合わせるという手段も取れますが、角隠しは洋髪に着けることはできず、地毛で日本髪を結うか、文金高島田のかつらまたは自前の生え際や髪を生かした半かつらをつけないといけません。顔立ちにより、似合う・似合わないが出てきやすいのは否定できません。

角隠しに用いるべっ甲かんざし
かんざしを挿す「角隠し」は綿帽子より華やいだ印象に。

角隠しの位置に迷ったら目安にしてほしいのは、眉が隠れるか隠れないかのライン。眉をすっかり出すよりは、多くの人が似合いやすくお洒落に見えやすい位置だと思います。横から見たラインは後ろ上がりに着けると伝統的な雰囲気に、平行ぎみに着けると優しく現代的な雰囲気になります。

角隠しで前撮りをされたお客さま
こちらは「白無垢屋」のフォトプランで、前撮りをされたお客さまです。地毛で文金高島田を結い、眉が隠れるか隠れないかのラインで「角隠し」を着けています。文金高島田を結うには、髪の長さ肩下15cmほど、前髪は鼻先に当たる程度あるとよいでしょう。前撮りであれば、前髪の長さは眉が隠れる程度でも大丈夫です。

地毛で日本髪を結える「白無垢屋のフォトプラン」はこちら▷

 

着けながらバランスの確認を


眉の形や頬骨の出方なども関係してくるので一概にはいえないのが難しいところですが、ヘアメイクさんに角隠し(布)をあててもらい、いっしょにベストの位置を見つけてみるのもよいでしょう。

綿帽子のバランスについて知りたい方はこちら▷


「ねこかんむり=角隠さず」を自作された森尾美帆さんのインタビューはこちら▷