白無垢まめ知識
白無垢で結婚式を挙げる方法が知りたい!白無垢挙式のすべて
「白無垢」というとどんなイメージを持たれますか?
「伝統的ですてき!」という意見もあれば、「式が大変そう…」というネガティブな意見もあるでしょう。
総合結婚情報誌『ゼクシィ』の調査によると、2017年の新婦さまが挙式&披露宴で選ばれた衣裳は、
1位 ウエディングドレス
2位 カラードレス
3位 色打掛
4位 白無垢
5位 引き振袖
となっており、順位の変動はほぼありません。
こだわりを持って白無垢をレンタルされる花嫁さまが増えている!
次の棒線グラフを見てください。2016年全国の新婦さまの衣裳総額の平均は47.4万円で、2010年調査から4.6万円増加しているそうです。その中でも、白無垢にかけるレンタル衣裳代は下のグラフを見てもわかるように、微増ではありますが、2013年から年々増えています。こうした結果からわかることは、白無垢を選ばれる方はウエディングドレスよりは少ないのですが、選ばれた方は、上質なものをレンタルされる方が多くなってきているようです。
【白無垢の購入・レンタル費用の全国平均の推移】
(出典:ゼクシィ 結婚トレンド調査2016調べより作成)
金額が高ければ良い衣裳である、と言い切ってしまうのは語弊がありますが、白無垢のレンタル料金の大きな変動はここ数年ほとんどないので、お客さま側に何らかの変化が生じているようです。
そもそも白無垢は、室町時代から着られるようになった、最も格が高いとされる婚礼衣装です。「綿帽子」をかぶり、「嫁ぎ先の色に染まる」という意味の込められた真っ白な衣装に身を包みます。ここ最近は、綿帽子に赤いラインが入ったものや、色の付いたもの、身につける小物に色や刺繍があるものなども取り入れられています。花嫁さまの個性を生かして、小物で色を足し、遊びごころを表現される方が多くなっているのです。小物だけでなく、ヘアスタイルやメイクも変わってきています。
時代とともに着方の変わる白無垢。ここでは、白無垢をレンタルする前に知っておきたい「白無垢のすべて」をご紹介します!
1. 白無垢はどこで着る婚礼衣装なの?
白無垢は特別な場合をのぞき、「結婚式(挙式)」で着る衣裳です。着ることのできる結婚式のタイプは、「神前式」、「仏前式」、「人前式」の3つです。
「神前式」とは?
神社の神殿にて行われる伝統的な挙式スタイルです。盃を重ねることによって「家と家」の固い絆を結ぶという意味が込められた「三々九度の盃(さんさんくどのはい)」や、玉串にふたりの心を乗せて神に捧げるという意味がある「玉串拝礼 (たまぐしはいれい)」などの儀式を通して、神さまに新郎新婦さまの結婚を報告します。最近ではホテルや式場の神殿でも神前式が挙げられます。儀式を通して両家の家族が一体となるので、家族になる喜びを強く感じられるお式です。
「仏前式」とは?
新郎新婦さまやご家族さまが信仰する仏教の教えに基づき、仏様や先祖に結婚の報告をして、ふたりが出会った「縁」やご先祖さまに感謝の気持ちを伝える由緒あるウエディングです。仏前式はご親族さまのみで結婚式をする場合が多いです。先祖代々のお墓がある菩提(ぼだい)寺、ゆかりのある寺院の本堂の他に、自宅に僧侶を招いて仏壇の前で行われるのが一般的です。ただ最近では、結婚式場やホテルで仏前式の挙式を行ってくれるところもあるようです。ご家族さまのゆかりのある場所や日頃から大切に思っていらっしゃる仏様に結婚のご報告をするということで、ご先祖さまやご家族との絆が深まるお式です。
「人前式」とは?
結婚の誓いを神仏に対して行う代わりに、列席者の方々に結婚の証人となってもらうスタイルの結婚式です。宗教や格式を気にすることなく自由に行えるお式です。新郎新婦さまの思い出の場所で誓ったり、二人が大切にしている考えや言葉などを誓いの言葉に入れたりすることができます。来てくださったゲストの型が承認になるので、一体感を感じられ、アットホームな雰囲気に包まれるのも魅力です。
挙式ではなく「前撮り」で白無垢を着たい!
挙式は洋装にして、披露宴で色打掛やカラードレスを着たいという花嫁さまも多くいらっしゃいます。このような場合、いつ白無垢を着るかというと、「前撮り」という挙式前の記念撮影の時に着ることになります。よく新年のご挨拶として「結婚しました!」という写真付きの年賀状が来るかと思うのですが、この前撮りで撮った写真を年賀状に使われる方が多いです。撮影した場所はというと、「みんなのウエディング」のアンケートによれば、スタジオ撮影が一番多いようです。
Q:前撮りではロケーション撮影とスタジオ撮影、どちらを行いましたか?
A:1位 スタジオ撮影 45%
2位 ロケーション撮影 34%
3位 両方で撮影 22%
ロケーション撮影とは、新郎新婦さまの思い出の場所での撮影や、スタジオの外で撮る撮影のことです。アンケート結果の1位になっているスタジオ撮影であれば、天候なども気にせず撮影できるので安心です。また、ロケーション撮影を選択すると別料金が発生する場合もあるのでお気をつけください。もちろんフォトスタジオによっては、スタジオとロケーションどちらも込みでリーズナブルに撮ってくださる所もあるので、時間と手間はかかりますが色々探してみるのをおすすめします。
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3. 白無垢はどうやったら着られるの?
白無垢を着る方法は3通りあります。1つ目はオーダメイド(購入)、2つ目は店舗でのレンタル、3つ目はインターネットでのレンタルです。ウエディングドレスの購入者は比較的いらっしゃるのですが、白無垢をオーダーしたり、購入される方はほとんどいらっしゃらないようです。ですが、お子さまのお宮参り初着にリメイクできるということもあり、ご自身の結婚式用にオーダーされる花嫁さまも少なからずいらっしゃいます。次に、一番多い白無垢の選択方法が、この店舗でのレンタルです。実際に目で見て、触れて打掛を選ぶことができます。気になる柄を選び、羽織ってみることもできるので、自分の持つ雰囲気やお顔に合うか確認できるため失敗がないため人気です。3つ目は、インターネットでのレンタルです。自分の住んでいるところに婚礼衣装のレンタルショップが無かったり、あったとしても少し自分の好きなテイストとはちょっと違う……と思われたりする花嫁さまが多く利用されます。白無垢は基本的には調整が可能な衣裳なので、体型のカバーもききますし、妊娠中の方でも着ていただけます。なので、気になる打掛が自分の身長に合うかどうかさえ確認していただければ、店舗に行かずともインターネット上でレンタルすることは全く問題ありません。結婚式や披露宴の準備はとても時間がかかるので、店舗に行く時間も省け、効率良く当日を迎えることができますよ。
白無垢を着るとき必要なものとは?
白無垢を着る時は、身につける小物も全て白いもので揃えるのが一般的でした。ですが、最近では色の付いた綿帽子や懐剣・筥迫などの小物もあり、花嫁さまの個性を表す機会が増えています。小物と一口に言っても、「レンタルで借りられるもの」と「購入するもの」に分かれるので以下に挙げておきます。
【レンタルで借りられる主要な小物】
綿帽子、角隠し、長襦袢、末広、筥迫、懐剣、かんざし、笄(こうがい)、草履
綿帽子
綿帽子は、平安時代に身分の高い女性が防寒や身を守るために頭からかぶった「被衣(かづき)」という衣服からきています。顔が隠れるようになっているのは、挙式が終わるまで、花嫁は結婚相手以外の男性に顔を見せない様にという意味が込められているためです。綿帽子の中は、この後ご紹介する「文金高島田(ぶんきんたかしまだ)」と呼ばれる日本髪、もしくは洋髪にして洋髪用の扇子型金具を頭のトップにとめて綿帽子の形を美しく保たせています。この綿帽子がかぶれるのは基本的には結婚式の間だけで、色打掛にも使用しません。
綿帽子について詳しく知りたい方はこちら
角隠し
角隠しとは、文金高島田を覆う様にかぶる幅の広い布のことです。この角隠しには、怒りを象徴するツノを隠し、花婿さまに従順でしとやかな妻になることを示すという意味があるそうです。角隠しは白無垢、色打掛、引き振袖などでもできるヘアスタイルです。綿帽子同様、披露宴で身につけることはありません。
長襦袢(ながじゅばん)
肌着として身につける肌襦袢や裾よけの上に着用する襦袢を「長襦袢(ながじゅばん)」と言います。着る順番は、肌着→長襦袢→掛下→打掛(白無垢)です。
白無垢を着る時に使われる長襦袢は、襟の幅が通常の2倍ある「広衿」など、一般的な着物で着る長襦袢とは形が違います。
以下の小物はレンタルする時、セットになっていることがほとんどです。白無垢の打掛の中に、差し色として色付き小物を使いたいという場合、以下の小物に色が付いていたり、刺繍がほどこされたりしています。
1. 抱え帯
帯の左後ろ下に結ぶ細帯のこと。帯結びを引き立て、後ろ姿のポイントになります。
2. 帯締め
結んだ帯を固定させる紐のこと。花嫁さま用の帯締めは中に綿をつめた「丸ぐけ」と言います。
3. 半衿(はんえり)
襦袢 (じゅばん) などの襟の上に装飾を兼ねて縫いつけた襟のこと。削 (そぎ) 襟とも呼ばれます。
4. 筥迫(はこせこ)
江戸時代には、化粧道具や懐紙を入れて使用した、今でいう“化粧ポーチ”のようなものですね。
5. 懐剣(かいけん)
護身用の短剣のこと。現在は、花嫁さまを様々な災いから守り、無病息災を祈るものとされています。しまう場所は帯の所で、完全に隠れるようにはしまわず、正面から少し見えるようにします。
6. 末広(すえひろ)
扇子(せんす)のこと。先に行くほど末広がりに広がる形から、「末広」と呼ばれています。この扇子には、「永遠に幸せであるように」という願いが込められています。
7. 帯揚げ
和装小物のひとつ。着物を着るときに、結ぶ帯の形を補助する小物の一つで、これを包む帯状のもののことです。
8. 伊達衿(だてえり)
着物を2枚重ねに見せるため、襟の下に付ける別衿のこと。お顔の一番近い位置にあります。
草履
白無垢に合わせて草履の色も白色に統一するのが一般的です。お店によっては、カラーバリエーションに富んだ草履もあります。かかとは高め。背の高さも調節が可能になります。
帯枕
帯枕は、着物を着るときに結ぶ帯の形を補助する小物の一つで、背中につけます。帯の形を整えたり、アレンジしたりするのに必要になってきます。
帯板
帯を締めるとき、前にはさみ、前帯の部分にシワがよらないようにするための和装小物です。「前板」とも呼ばれています。帯板は様々な種類があり、長さ、幅、色などで選びます。白無垢をレンタルする際には、決まった長さと幅のものをお店で用意してくださると思います。
腰紐
着物の丈に合わせて、腰などで結ぶヒモのことです。
体型に合わせて4~6本、必要になります。
【購入するもの】
ウエディングドレスなどの洋装でも同様ですが、肌に直接触れるものは購入するのが一般的です。お店によって、レンタルに含まれるもの、含まれないものが違ってくるので、借りる打掛が決まったら、レンタル内容を確認するとよいでしょう。
肌襦袢&裾よけ
打掛の下は、長襦袢の他に肌着を着ます。この肌の上に直接着る下着のことを、「肌襦袢(はだじゅばん)」といいます。肌襦袢を着ることで、汗や皮脂から着物を守ることができます。そして、もう一つ下着として身につけるのが「裾よけ」です。これは腰に巻きつけて使います。長襦袢の汚れを防ぎ、また歩くときの足さばきが楽になります。この肌襦袢と裾よけが一緒になった「ワンピースタイプ」もあるので、これ一枚で十分です。
白足袋
結婚式などは白のお色味が基本です。かかとから足首にかけて、「こはぜ」と呼ばれる留め具がついています。シワが出ないようにぴったりのサイズを選ばれるのがよいでしょう。白足袋を扱うお店は多くありますが、種類として結婚式など特別な礼装用の白足袋もあるので、品質や格にこだわる場合は、お店の方に婚礼用を探していただくのをおすすめします。
ガーゼ&タオル
着崩れ防止や、体型補正のために使います。旅館や温泉または粗品としていたいただく薄手のタオルやガーゼがよいでしょう。お胸がふくよかな方は多めに用意する必要があります。
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5. 白無垢に合うヘアスタイルって?
白無垢のヘアスタイルは大きく分けて、綿帽子、角隠し、文金高島田、洋髪の4つあります。
まだ詳しくご説明していない「文金高島田」と「洋髪」をここでは取り上げます。
文金高島田(ぶんきんたかしまだ)
先ほども少し出てまいりました「文金高島田」とは、時代劇にでてくるお姫さまのような、頭の上でまげを結い、華やかなかんざしをさすヘアスタイルのことです。種類は「全かつら」、「半かつら」、全て地毛で結う「新日本髪」があります。「半かつら」は、地毛を生かしてかつらをかぶりたい方に人気のスタイルです。かつらの色味は生え際の色合いに合わせるとよいでしょう。かつらを使わず、全て地毛を生かして結う日本髪のことを「新日本髪」と呼びます。「半かつら」や「新日本髪」は、「全かつら」より軽やかで、自然な日本髪になるので、現代的な柄やお色味の打掛にもおすすめのヘアスタイルです。
洋髪
洋髪は、綿帽子、角隠し、文金高島田の古典的なヘアスタイルではなく、ヘッドドレスや造花・生花などを髪に飾る近代的なヘアスタイルです。かつらに抵抗のある方や、披露宴で洋装にする際、手直し料金が発生するので、挙式の時から洋髪にしておきたいという花嫁さまに好まれます。
最近では、洋髪でも特殊な金具をつければ、綿帽子をかぶることができるので、綿帽子を挙式でかぶりたい方はヘアメイクの担当の方に相談されると良いです。
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6. 白無垢メイクって?
白無垢には2種類のメイクがあります。一つ目は、水で溶いた白粉を使った「水化粧」。二つ目は、全体的な雰囲気に合わせたナチュラルメイクです。これは、挙式の後に洋装の披露宴が控えている花嫁さまが選ばれることが多いです。
水化粧というと「真っ白にされてしまう」、と不安になる方も多くいらっしゃいますが、ヘアメイクの担当の方も花嫁さまの肌質や雰囲気などに合わせて調整してくださるので、そこまで真っ白になるということはほとんどありません。また、水化粧は肌の美しさを引き立たせ、透明感を与えるという特徴もあります。
ナチュラルメイクは、私たちの日常生活の中でよく言う「すっぴん」に近いものではありません。あくまでも、白無垢にも、その後の洋装にも合うように、ファンデーションも自然な感じでメイクをしてくださるということです。撮影もありますので、口紅やアイラインなどはメイクしていただいた方がお衣裳とのバランスは良いです。濃くしたくないということであれば、メイクリハーサルの時に伝えておくのがベストです。
7. 白無垢の最近の着方は「花嫁さまらしい“色”」を入れること
レンタルする時に含まれている小物の説明を前半でしましたが、現代の小物は色が付いていたり、刺繍がされていたりします。白無垢の小物は頭の先から足の先まで真っ白でした。ですが、最近では自身の個性を小物の色で表し、上手に取り入れていらっしゃる花嫁さまが増えています。
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8. 白無垢でもブーケは持っていいの?
教会式の新婦さまが持つ花束のことをブーケといいますが、神前式ではブーケは持ちません。ただし、フォトウエディングや前撮り・後撮りであれば、白無垢や色打掛の時でも持つことができます。
和装ブーケというと、ボール型のものや末広とお花の組み合わせなどが多かったようですが、洋髪のヘアスタイルに合わせて、手に持つブーケの種類も変わってきているようです。
マム(菊)などを使ったボール型のブーケ
ボール型ブーケに使うお花のお色味は白、緑、黄色などのナチュラル系が多いです。お花の種類としては、ころんと丸く、ボリュームのある菊の一種である「ピンポンマム」がよく使われています。ブーケに紐をつけ、ぶら下げて持つタイプもありますし、手に持つ半円型のブーケタイプもあります。ボール型は和装の時に持つ巾着のようでかわいらしいですよね♡
末広にお花を添えたブーケ
白無垢を着る時必ず身につける小物の中に、末広(すえひろ)と呼ばれる扇子(せんす)があります。撮影の時、扇子を閉じた状態で手に持って撮ることがあるのですが、この時扇子にお花のついたブーケを持つだけで、とても華やかになります♪扇子を広げた状態のものにお花を付けたブーケは、身につける末広とは別に、撮影用で用意しておくのがよいでしょう。
楕円型や半円型のウエディングドレスタイプ・ブーケ
ブーケの種類も色々ありますが、ウエディングドレスを着た時、よく持つような楕円型のオーバルや、丸い形のラウンドなどもあります。ラウンドはボール型のブーケとは違い、半円型のタイプです。使うお花の種類も自由にお選びいただけますし、ツル科のグリーンを入れると動きも出てすてきです!