白無垢屋トップページ

イメージ
白無垢まめ知識

似合う白無垢の選びかたって? 白無垢が似合う人とは? 白無垢選びのチェックポイント6

和装婚のなかでも人気の高い白無垢は、ウエディングドレスでいうと純白のドレスに当たります。基本的に真っ白なので「どれも同じに見える」という人もいるかもしれませんが、普段の洋服と同じでデザインや品質は玉石混交です。普段着物を着ることがなければ、選ぶポイントがわからない方も多いでしょう。そこで、白無垢を選ぶポイントを6つ紹介します。


白無垢選びのポイントとは?

1. 色について

白無垢といえば真っ白なイメージがあるかもしれませんが、ウエディングドレスと同じように微妙に色が異なり、混じりけのない純白からやや生成りがかった白に分かれます。色白の方やオークル系の肌色の方は気にされなくてよいと思いますが、「色黒なのが気になる」「日焼けしてしまった」という方は、まず色を選ぶとよいでしょう。色黒の方に似合わない白があるというわけではなく、印象が変わるということです。

・純白…蛍光灯のように青みを帯びている白。肌の色が白く、目や髪が黒い方に似合います。化学繊維でつくられた白無垢はこちらに当たります。
・オフホワイト…陶器のような白で、純白に比べるとやわらかさがあります。日本人の肌になじみやすく、白無垢屋の白はこちらに当たります。
・アイボリー…やや黄みのある白で、肌を明るく見せてくれます。どんな方にもなじみやすいと言われています。白無垢屋の生成りはこちらに当たります。

 

2. 生地について

白無垢に使われている生地も白無垢選びでチェックしておきたいポイントです。予算が合えば、やわらかな着心地や自然な艶感のある正絹や交織の白無垢をおすすめします。

白無垢に用いられる素材は、
正絹(しょうけん)…絹100%で織った生地
化学繊維(かがくせんい)…化学繊維の糸を用いて織った生地
交織(こうしょく)…絹と化学繊維の糸を用いて織った生地
の3種類があり、品質や価格は

正絹(しょうけん)>交織(こうしょく)>化学繊維

となります。正絹の白無垢(着物)は高価なうえメンテナンスも大変なため、化学繊維や交織の白無垢が生まれました。パッと見では見分けがつかないこともありますが、光沢感や色の質感が異なります。それぞれの特徴を紹介します。

正絹

正絹の白無垢生地アップ

・天然素材のため純白ではなく、やや生成りがかっていて柔らかな色合い。
  (純白に比べると生成りがかっているというくらいです。)
・手ざわりや肌ざわりがよく、しなやかで着くずれしにくい。
・保湿性、通気性に優れ、夏は涼しく、冬は暖かい。
・光沢感がある。
・化学繊維に比べて静電気が起きにくい。
・高価でデリケートなのでメンテナンスが大変。

化学繊維(ポリエステル)

・混じり気のない純白。
・硬くて張りがある。
・着くずれしやすい。
・生地自体は正絹に比べると安価。ただし、織り柄などにより高価なものもある。
・吸湿性がなく、夏は暑い。
・写真撮影で柄が出にくい。

交織


・白無垢の場合は、一般的に柄を作る緯糸(よこいと)に化繊を使い、経糸(たていと)に正絹を使う。
・正絹の着心地や高級感に、化学繊維の扱いやすさやお値ごろ感を加えた「いいとこ取り」。
・法が改正されるまでは交織でも正絹と名乗ることができるものもあった。

職人の手により凝った技法が用いられるとその分お値段は上がるため、一概に交織や化学繊維の白無垢が安いとはいえません。ただ、正絹や交織の白無垢なら、花嫁自身が自信を持って身にまとうことができるので、迷うのであれば正絹や交織をおすすめします。交織は正絹のよさを活かしながら、価格が押さえられているものが多くあります。ただし、気に入った白無垢が化学繊維であれば、「素敵な白無垢を着ている」ということが自信や満足感になるので、一番はやっぱり「好み」で選ぶのがおすすめです。
 

3. 織りについて

糸や織り方で生地の質感は変わります。白無垢に用いられる織り方は主に
綸子(りんず)
緞子(どんす)
縮緬(ちりめん)
の3種類があります。順番に特徴を見てみましょう。

綸子

綸子の白無垢生地

経糸(たていと)・緯糸(よこいと)ともに撚りのない生糸を用いた繻子織の生地を指します。表と裏で文様が表され、生地が織り上がったあとに精錬されます。光沢があり、やわらかくなめらかな肌ざわりが特徴。伊達衿や長襦袢のほか、振袖や訪問着にもほとんど綸子が用いられています。

※「白無垢屋」の商品で緞子と明記していないものは綸子になります。

緞子

高価な織物を「金襴緞子(きんらんどんす)」というように、高級感のある織物の代名詞が緞子(どんす)です。帯によく見られる紋織物で、美しい光沢と重厚感があります。生糸を精錬した絹糸を用いるのが綸子と異なる点ですが、綸子と同じ繻子織なので見た目には違いがわかりにくいでしょう。手に触れると厚みがあり、綸子に比べて地厚なのがわかります。

縮緬


撚りの強い生糸を緯糸に用いた平織の生地で、しなやかで凹凸(しぼ)があるのが特徴です。留袖に用いられ、白無垢に用いられるのは稀。

※「白無垢屋」では現在、縮緬の白無垢は取り扱いがありません。
 

4. 柄について

白無垢は柄が目立たないのではないかと思うかもしれませんが、光沢感があるので光の加減で柄がしっかりと認識できます。大胆な柄ゆきのものや繊細な柄のものなど、好みの柄が選べます。

種類

鶴や鳳凰は婚礼衣装である白無垢ならではの文様といえます。また、桜、梅、牡丹、菊、椿、藤などの植物文様のほか、地紙や御所車などの王朝文様も好まれます。ほとんどの白無垢に「吉祥文様」と呼ばれる縁起のよい柄が用いられています。種類により、意味合いが異なるので文様の意味から選ぶのも愉しみになります。

大きさ

基本的に洋服と同じで、背の低い人は柄の小さなもの、背の高い人は柄の大きなものが合うと言われます。一般的に、小さな柄は可愛らしいイメージ、大きな柄は豪奢で迫力のあるイメージがあります

柄ゆき

まず、花嫁の顔まわりの柄の見え方を確認しましょう。次に、列席者に見られる後ろ姿や外袖の柄ゆきもチェックしましょう。


植物柄についてはこちら

動物柄・その他の柄にについてはこちら▷
 

5. 技法について

白無垢はさまざまな技法を用いられてつくられています。代表的なものを紹介します。

横振り刺繍(よこふりししゅう)


針が左右に動く横振りミシンを使い、 職人の手で直接生地に柄を起こす日本独自の技法。横振りミシンはフットペダルを踏み込む強さにより刺繍の振り幅が変化するため、経験が必要になります。 振袖や打掛、スカジャンなどに用いられます。

相良刺繍(さがらししゅう)


生地の裏から糸を引き出して結び玉を作り、玉を連ねて模様を描く技術と時間を必要とする技法で、玉縫い、相良縫いともいいます。立体感が出るので、非常に豪華で表情のある仕上がりになります。

箔押し/箔置き(はくおし/はくおき)

金・金、銀などの金属をたたいて紙のように薄く延ばした「箔」を用いて、立体的に柄を表現します。 生地に膠や糊を置き、金銀の箔や色箔を押して、模様や文字を表現します。箔入れ、箔押しともいいます。豪奢な能衣装などに用いられていました。

金駒・銀駒刺繍(きんこま・ぎんこまししゅう)

金駒刺繍・銀駒刺繍

刺繍針に通せない太い糸や金糸・銀糸を木製の駒(糸巻き)に巻き、駒を転がしながら刺繍糸を下絵に沿ってはわせ、細い留め糸で縫いつける技法。「駒縫い」「駒取り」とも言う。縁取りによく使われるが、駒縫いを敷き詰めると表情が出ます。 金糸を使ったものを「金駒繍」、銀糸を使ったものを「銀駒繍」と呼美ます。

唐織(からおり)


袋帯や色打掛によく用いられる豪華な織りの技法。錦織の一種なので唐錦と呼ばれることもある。刺繍ををほどこしたような独特の立体感と重厚感が出るため、花嫁衣裳にふさわしいと言われます。

 

6. ふきについて

白無垢のふき模様
着物の袖口や裾の部分は裏地を表に折り返し、表から見えるように仕立てられた部分を「ふき」といいます。もともとはすれて傷みや汚れを防ぐためにつけられたといわれています。特に白無垢の裾は綿を入れた「ふき綿」になっています。裾に重みを持たせることで、打掛がすとんと落ち、足さばきもよくなる役割もあります。ほとんどの白無垢のふきは白ですが、色柄のある生地を使用したものもあります。特に「赤ふきがいい」という花嫁さまもいらっしゃいます。少し変化球の欲しい花嫁さまにおすすめです。

ふき模様がかわいい「寛斎手刺繍乙女の祈り」▷

赤ふきがおしゃれな「白寿鶴」▷

白無垢選びに関する質問コーナー

Q. 試着をせずに自分に合ったサイズを見つける方法はありますか。
白無垢は基本的にフリーサイズですが、美しく着ていただけるのは150㎝から170㎝とされています。丈は草履の高さで調整できますが、袖の長さ(裄丈)が問題になります。150㎝未満の方は裄丈が長すぎて手が隠れてしまったり、170㎝以上の方は袖が短く見えてしまったりということがあります。所作に気をつけてカバーするとよいでしょう。大きいサイズの白無垢もあるので、まずはお店に問い合わせてみましょう。
また、マタニティー用の白無垢もありますが、着付けの先生によると、打掛を掛ければ、特にお腹の膨らみは気にならないことがほとんどだそうです。ただし、体型は個人差があるのでお店に相談すると安心です。

※「白無垢屋」には長身の方用、マタニティ用の白無垢のご用意はございません。ご了承ください。
妊娠中でも白無垢は着られる

妊娠中に白無垢「桜らんまん」をお召しになった土佐未来さん。「妊娠8ヶ月でお腹も大きいので着物は不安でしたが、体調もよく、苦しい、重いなどといったこともまったくありませんでした」とのことでした。ただし、妊娠中の体調は個人差があります。



Q. 白無垢の柄を選ぶ際のポイントはありますか。
基本的にお客さま自身のお好きな柄をお召しになるのがよいかと思います。あえてこだわるなら、季節、身長の高さ、お肌の色などを意識し、お選びいただくとよいでしょう。たとえば、挙式日に見ごろを迎える季節の花の柄を選ぶのもおすすめです。身長が高い方であれば、余白のあるデザインや、柄が大きいもの。背の低めな方は、熨斗文のような縦長に広がりのある柄が入っているものや、柄が全体に広がっているもの、また文様が小ぶりなものなどが良いかもしれません。また、お肌の色ですが、色白な方はすべて問題なくお召しいただけます。肌が黒めの方は、純白などの明るい色味にするとお顔映りもパッと明るくなります。※あくまでも上記は参考です。花嫁さま自身の気持ちを大切にしてお選びください。
小柄な人に似合う白無垢
身長153cmと小柄な吉村美穂さん。小さな梅が散りばめられた「花車に松鶴」がお似合いです。高さ6cmの草履を履いています。

大柄な方にもおすすめ→「松に鶴」▷

小柄な方にもおすすめ→柄の小さい「爛漫」▷

白無垢屋で前撮りした吉村美穂さんのインタビューはこちら▷

Q. 白無垢選びの際に、背面の柄や見え方も大事だと言われますが、それ以外に、どの部分をよく見るとよいでしょうか。
白無垢の柄で注目すべき箇所は、背面、袖、左胸上の3つです。詳しく見ていきましょう。


①背面
​花嫁自身には見えませんが、神前式ではゲストがもっとも注目する部分になるため、ほとんどの白無垢は背中の帯山部分にメインとなる柄がきます。

白無垢選びのポイント背中の柄ゆき

②袖
柄の美しさが集まる箇所です。特に写真を撮る際は袖の外柄が見えるようにポージングすることが多いので、確認してみましょう。

白無垢袂の柄

③左胸上
右側に新郎、左側に新婦が立つので、新郎がいない左側の胸上はゲストに見られる箇所になります。また、顔映りを左右するので、特徴的な柄がきているか見るとよいでしょう。

白無垢選びのポイント左胸の柄ゆき

 ​白無垢屋の白無垢も、一番美しく柄が見える箇所を厳選し、紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。