白無垢伝統文化
白無垢の柄の魅力 さまざまな文様の意味 -動物の柄・その他-
動物モチーフの白無垢柄
植物と同様に多いのが、鶴をモチーフにした白無垢。鶴以外にも花嫁衣装によく用いられる動物のモチーフを紹介します。
▷植物柄の白無垢についてはこちら
鶴文
吉祥、瑞祥、長寿を表すモチーフとしておめでたい席にふさわしい鶴文。立ち姿も飛び交う姿も優雅で気品があり、おめでたいことの起きる前兆に現れる瑞鳥(ずいちょう)として古くから親しまれてきました。夫婦で生涯を添い遂げる鳥であることから、婚礼衣裳によく用いられています。
ちなみに鳥が花をくわえた「花喰い鳥文」はササン朝ペルシアが起源とされ、もともとは鳩やオウムなどの異国の鳥が描かれますが、日本では平安時代に和風化されて“鶴”が描かれるようになりました。
スタッフからの一言
白無垢屋には鶴文の白無垢が多くあります。羽に横振り刺繍がほどこされたもの、立体的な相良刺繍されたものなど、特徴的な刺繍の白無垢もあります。白地の世界を大きな羽を広げ舞う鶴の柄は、遠目でも華やかさを感じることができるので、ご両親やご親戚にも喜んでいただける柄です。赤色の小物との相性もよく、伝統的な印象を醸しながら素敵に着こなしていただけます。
●鶴がメインの白無垢
▷どんす地銀刺繍千羽鶴
▷大和鶴
▷千羽鶴流水に銀
▷鶴の舞い
▷白寿鶴
▷向鶴
▷松に鶴
▷波に千羽鶴
●鶴をメインに組み合わせた白無垢
▷花車に松鶴
▷菊花牡丹に鶴
▷銀入鶴に花集流水
▷飛翔
▷飛鶴王朝熨斗
▷花集渦に鶴
▷金糸桜道長に鶴
●鶴が文様の一部にある白無垢
▷銀入地紙くずし松川
▷寛斎手刺繍乙女の祈り
▷流水花紋様
鳳凰文
鳳凰(ほうおう)は古代中国で尊ばれた、鶏や孔雀、獣を合体させた架空の瑞鳥で、幸福の前触れとして出現すると信じられていました。もともとは雄を鳳、雌を凰と称し、二羽合わせて鳳凰と言われましたが、その後二羽が合わさり雌になったと言われます。
鳳凰の文様のなかでも代表的なのが「桐竹鳳凰文」。鳳凰が桐の木に住み、竹の実を食べることから、3つを組み合わせて表現されます。白無垢の柄だけでなく、皇室の衣服や調度品にも多く使われ、吉祥高貴の文様として大切にされています。
スタッフからの一言
白無垢屋の白無垢は文様も大きく、とにかく豪華な印象になります。蝶々や花なども刺繍されているので「かわいらしい印象になるのでは…」と思われるかもしれませんが、まったくそのような印象にはならず、むしろ力強く、女性から見てもかっこいい雰囲気を演出できます。鳳凰文と赤系小物との相性は抜群です!
▷相良鳳凰の舞
▷若冲動植綵絵鳳凰図
▷桜牡丹に屏風
鴛鴦文
仲睦まじい夫婦を表す「おしどり夫婦」。その語源となっているのが「鴛鴦(おしどり)」と呼ばれる鳥で、中国の東北部やシベリア、北海道に棲息しています。「鴛(えん)」は雄を、「鴦(おう)」は雌を指し、いつもつがいで寄り添っていることから仲のよい夫婦の象徴となりました。「鴛鴦(えんおう)の契(ちぎり)」という言葉もあります。
スタッフからの一言
鴛鴦は絵画で見たことがある方もいるのではないでしょうか。 水鳥である鴛鴦は絶え間なく流れる「流水文様」とともに描かれることが多く、可愛らしい雰囲気です。
▷花車流水
そのほか
熨斗(のし)文
お祝いごとの贈り物やご祝儀につける熨斗を文様化し、吉祥文様として使うようになりました。もともとは鮑(あわび)を薄く長くはぎ筋状に乾かしたものが用いられたと言われます。細長い帯状の形の中に細かな文様が描かれ、その多くは束ねられているため「束ね熨斗」と呼ばれます。
スタッフからの一言
白無垢「飛鶴王朝熨斗」は、束ね熨斗が打掛全体に大きく描かれ、絢爛豪華な印象を与えます。熨斗の中に蝶々や菊、亀甲文が刺繍され、おめでたい吉祥文の集まった一着です。身長体型などを気にせずお選びいただけます。
▷飛鶴王朝熨斗
楽器尽くし
珍しい形をした優雅な古典楽器を文様化したもの。鼓(つつみ)、琵琶、笙、笛、箏(琴)など雅楽を演奏する際に使う楽器が描かれます。美しい王朝文化を彷彿とさせ、優美な印象があります。楽器が「よく鳴る」ことから「よく成る」と掛け、おめでたい席に用いられます。楽器文とも言います。
スタッフからの一言
楽器文の白無垢「寛斎手刺繍乙女の誓い」は、上身ごろには鶴文が入り、下身ごろには楽器文が刺繍されています。布団のように綿の入った裾部分のふきにも柄が入っており、とても豪華な印象を与えます。
▷寛斎手刺繍乙女の祈り
地紙文
地紙とは扇面の骨部分を除いた紙の部分のことで、さまざまな柄が盛り込まれる文様です。華やかでリズム感のある柄行きになります。
スタッフからの一言
扇は末広がりの形から「末広」とも呼ばれるおめでたい小物ですが、江戸時代の人々は扇子に好みの地紙を張り替えたとか。粋な江戸文化がお好きな方にもおすすめです!
▷銀入地紙くずし松川
流水
水が流れる様子や小川を表しており、弥生時代の銅鐸にも見られる歴史のある文様です。流れる水には常に清らかで、厄災を流すお清めの意味もあります。メインの柄ではなくさまざまなモチーフと組み合わされ、図案の余白を埋める背景としてよく用いられます。
スタッフからの一言
大きくダイナミックな流水や静寂を感じさせる流水など、柄行きによりイメージはさまざまですが、清らかさが感じられます。自然を神聖視した古代日本人の心が感じられます。
▷銀入鶴に花集流水
▷流水花紋様
▷千羽鶴流水に銀
▷花車流水
格天井文
格天井(ごうてんじょう)とは格子状に組んだ木の上に板を張った天井のこと。格天井に絵が描かれるようになり文様化されました。神社仏閣の天井の絵を文様化しているため、重厚感があり格式高い印象を与えます。
スタッフからのひと言
格天井の中に花丸文や生き生きとした表情で舞う大振りな鶴など、吉祥文様がぜいたくに描かれているのが特徴です。2色で文様が刺繍されているので、立体感があり、写真映えする一着です。余白と柄のバランスも良いので、身長や体型を気にせず着ていただけると思います。
▷飛翔
正倉院文
奈良時代に東大寺に献納された聖武天皇の遺愛品を保存した宝庫、正倉院。その正倉院に伝わる工芸染織品に多くみられる文様の総称で、日本の古典文様のなかでも最古のものとされます。架空の花をイメージした「宝相華(ほうそうげ)」、鳥が花や松の小枝などをくわえた「花喰い鳥」など、さまざまな種類があります。ややエキゾチックで格調高いのが特徴です。
※現在白無垢屋では取り扱いがありません。